基礎知識

遺品整理で役立つ着物の正絹・化繊の見分け方|品質表示タグの読み方と自己診断

執筆:きもの査定ガイド編集部
この記事の結論

遺品整理や譲り受けた着物が正絹か化繊かは、まず品質表示タグの組成表示で確認できます。タグが読めない・ない場合の手触りや光沢による見分け方、専門業者に相談すべき目安もあわせて解説します。

遺品整理などで見つかった着物を手放すか残すか判断する第一歩は、生地が「正絹(絹100%)」か「化繊(ポリエステルなどの化学繊維)」かを見極めることです。正絹かどうかで査定額や手入れ方法が大きく変わるため、まずは自分で確認できる方法を知っておきましょう。この記事では、衣類に義務付けられている品質表示タグの読み方と、タグがない場合の見分け方を順番に整理します。

なぜ正絹・化繊の見分けが重要なのか

着物を保管するか、供養するか、買取に出すかを判断する際、素材は重要な判断材料になります。

  • 正絹(絹100%):査定対象になりやすく、証紙・落款が伴えばさらに評価が上がる場合がある
  • 化繊(ポリエステル等):一般的に買取査定の対象外になりやすく、普段着・お手入れのしやすさが利点
  • お手入れ方法:正絹は湿気やカビに弱くクリーニング店を選ぶ必要があるが、化繊は自宅で洗えるものも多い

素材が分からないまま一括で処分・供養してしまうと、価値のある一枚を見逃す可能性があります。

まずは品質表示タグを確認する

現在国内で販売される繊維製品には、「家庭用品品質表示法」に基づき組成表示(繊維の種類と混用率)の表示が義務付けられています(消費者庁「繊維製品の表示について」)。着物も対象で、絹100%であれば「絹 100%」のように表示されます。

  • 確認する場所:衿の裏側や身頃の縫い込み部分に付いた下げ札・縫込みラベル
  • 表示例:「絹100%」「毛羽部分:絹100%」「表地:ポリエステル100%」など
  • 注意点:この表示義務は法律施行以降に販売された既製品が対象のため、年代の古い着物や個人間で譲られた品には表示タグが残っていない・欠落している場合がある

タグが確認できれば、それが最も確実な判断材料になります。

タグがない・読めない場合の見分け方

譲り受けた着物や古い着物ではタグが失われていることも多く、その場合は次のような方法で見当をつけられます。ただし、いずれも簡易的な目安であり、確実な判定ではありません。

確認方法正絹の特徴化繊の特徴
手触りしっとりとなめらかで、体温に近い温かみを感じるややカサつき、ひんやりした感触が続きやすい
光沢見る角度で柔らかく上品な光沢が変化する均一で強い光沢が出やすい
シワ折りたたんでもシワが残りにくい折りジワが比較的つきやすい
生地同士を擦ると絹鳴り(キュッという音)がすることがある乾いた音がすることが多い

証紙・落款の有無を確認する方法については「証紙・落款とは?着物の価値を左右するサインの読み方」もあわせて参考にしてください。

判断に迷う場合の対処法

見た目や手触りだけでは正絹と化繊の判別が難しいケースも多くあります。

  • 一部の専門家は端切れの燃焼確認を行うことがありますが、生地を傷める・匂いが出るなどのリスクがあるため、遺品や状態の良い着物では避け、専門業者への相談を優先することをおすすめします。
  • 迷ったら、着物専門の買取業者や呉服店に持ち込み、プロの判定を受けるのが確実です。査定は無料で行っている業者もあります(取り扱い条件は業者ごとに異なります)。
  • 複数点まとめて確認してもらう場合は、証紙・落款・付属品も一緒に持参すると、より正確な評価につながります。

注意

  • 本記事の見分け方は一般的な目安であり、個別の着物の素材・価値・真贋を保証するものではありません。
  • 家庭用品品質表示法の表示義務や運用は法改正により変更される場合があります。最新情報は消費者庁の公式サイトでご確認ください。
  • 買取・査定の相場や対応は業者・市場動向により変動します。本記事の記述は情報取得時点(2026年7月)のものです。
  • 生地の判定に迷う場合や高価値が疑われる着物は、自己判断で処分・供養せず、着物専門の業者や鑑定士にご相談ください。

きもの査定ガイド編集部

編集部

着物の買取・査定・お手入れの情報を、初心者にもわかりやすく届ける編集チーム。

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