コラム

相続税で着物はいくらと評価される?家財一式と個別評価の分かれ目

執筆:きもの査定ガイド編集部
この記事の結論

相続税の申告で着物はどう評価されるのか。国税庁の財産評価基本通達では、1点5万円以下の家庭用動産は一括評価でき、高額な着物や帯は売買実例価額などを参酌して個別に評価します。考え方を整理します。

相続税の申告では、着物も家財の一部として課税対象です。ただし1点ごとに値付けするとは限りません。1個または1組の価額が5万円以下の家庭用動産は、まとめて評価できる取扱いがあります。一方、高価な訪問着や作家物の帯は、売買実例価額などを参考に個別に評価する対象になりえます。

着物は「家庭用動産」として相続税の対象になる

国税庁の財産評価基本通達では、家財・衣類のような身の回りの動産は「一般動産」に含まれます。着物や帯、和装小物も、持ち主が亡くなれば他の遺産と同じく評価の対象です(取得時点: 2026年10月15日)。

  • 不動産や預貯金に比べると金額は小さくなりがちだが、ゼロ扱いではない
  • 遺産全体が基礎控除の範囲内なら、評価を細かく詰める必要がないケースも多い
  • 申告が必要な規模の相続では、着物の扱いも申告書に反映する必要がある

評価の基本ルール(通達128・129条)

通達の定めを、要点だけ表にまとめます。条文の正確な文言は、必ず国税庁の原文で確認してください。

区分評価の考え方
1個または1組の価額が5万円以下の家庭用動産まとめて一括して評価できる(通達128)
5万円を超えるもの1点または1組ごとに個別に評価する
個別評価の原則売買実例価額や精通者意見価格などを参酌して評価する(通達129)
売買実例価額等が明らかでない場合同種・同規格の新品の価額から、経過年数に応じた減価を差し引いて評価する

2008年(平成20年)の改正で、一般動産は調達価額ではなく売買実例価額等を原則とする取扱いに改められた経緯があります。中古市場の取引価額を把握しやすくなったことが背景とされています。

着物ではどこが「個別評価」になりやすいか

次のようなものは、1点で5万円を超える可能性があり、個別評価の検討対象になります。

  • 人間国宝・作家の落款がある振袖や訪問着
  • 伝統的な産地の証紙付きの上質な紬や帯
  • 保存状態がよく、仕立て上がりで流通価値のあるもの

反対に、日常使いの小紋や浴衣、状態の傷んだ古い着物の多くは、家財一式としてまとめる扱いになりやすいでしょう。

実務での進め方

  1. 相続税の申告が必要かを先に確認する(遺産総額と基礎控除の比較)
  2. 着物・帯を仕分け、高額そうなものに証紙・落款・購入時の書類があるか確認する
  3. 価値が読めないものは、着物の買取業者や専門家に査定を依頼し、査定書を残す
  4. 評価額の判断は税理士に相談し、申告書への記載方法を決める

査定額は買取価格と評価額で同じとは限りません。査定書は評価の参考資料になりますが、最終判断は税務の専門家に委ねるのが安全です。

出典

注意

  • 本記事は一般的な情報提供であり、税務上の判断を保証するものではありません。個別の申告は税理士・税務署にご相談ください。
  • 通達や基準は改正されることがあります。最新の内容は国税庁の公式情報で確認してください。
  • 査定額・相場は取得時点のもので、変動します。断定的な評価額を示すものではありません。

きもの査定ガイド編集部

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