お手入れ・保管

着物の黄変(黄ばみ)の原因と対処|自己流で漂白せず悉皆店へ相談

執筆:きもの査定ガイド編集部
この記事の結論

保管中の着物に出る黄変は、汗や皮脂の残りなど原因が複数あります。自分でできる予防と点検、漂白を自己流で行ってはいけない理由、悉皆店への相談の流れを整理します。

久しぶりに着物を広げたら、衿や袖口、たたみ目が黄色っぽく変わっていた——。黄変は「見えない汚れが時間をかけて変色したもの」であることが多く、自己流の漂白は避け、早めに悉皆(しっかい)店へ相談するのが基本です。予防と点検は家庭でもできます。

黄変はなぜ起きるのか

京都市産業技術研究所の研究報告では、黄変は着用や保管に関連する代表的な不良として挙げられています。一般に、原因は一つではありません。

  • 着用時の汗・皮脂・食べこぼしが残り、時間とともに酸化して変色する
  • 絹そのものが経年や光で黄褐色に傾く
  • 仕上げ加工剤や増白剤などが変色に関わる場合もある

どれに当たるかは、見た目だけでは判断しにくいのが実情です。

黄変が出やすい場所と点検のしかた

場所理由見るポイント
衿・襟元皮脂・化粧品が付きやすい内側の衿肌に沿った黄色い線
袖口・脇汗が付きやすい裏地との境目の変色
裾まわり汚れが付きやすい裏側の薄茶色のぼやけた輪
たたみ目同じ折り線で光・空気に触れる折り山に沿った色あせ・黄ばみ

点検は湿度の低い晴れた日に、直射日光を避けた部屋で行います。広げて光にかざすと、表からは見えにくい変色に気づきやすくなります。

自分でやってよいこと・いけないこと

やってよいこと

  • 着用後は陰干しして湿気を飛ばし、汚れた箇所があれば早めに専門店へ
  • 年1〜2回は広げて点検し、たたみ直して折り線をずらす
  • 通気のよい紙(たとう紙)を使い、汚れを覚えておく

避けたいこと

  • 家庭用漂白剤でのつけ置き・部分漂白
  • 水洗い、アイロンの高温当て、ドライヤーでの乾燥

黄変の補正には酸化漂白剤が使われますが、同研究報告によれば、従来は経験と勘に頼る処理で、判断を誤ると絹繊維がもろくなり修復できなくなるおそれがあるとされています。専門の現場でも難しい作業を、家庭で再現するのは危険です。

悉皆店へ相談するときの流れ

  1. 変色の場所を写真で撮り、いつ・どの保管環境だったかをメモする
  2. 悉皆店や呉服店で見積もりを取る(黄変の補正や洗い張りの要否で費用は変わる)
  3. 仕上がりの見込み(完全には戻らない場合もあること)を確認してから依頼する

費用は店舗・着物の種類・状態によって異なるため、依頼時点の見積もりで確認してください。受け継いだ着物を売却や買取に出す予定がある場合も、先に状態を見てもらうと判断しやすくなります。

注意

  • 本記事は一般的な情報です。個々の着物の素材・染め・状態により適切な対処は異なります。
  • 費用・仕上がりは依頼先と時期により変わります。必ず見積もりで確認してください。
  • 高価な着物や思い入れのある品は、自分で手を加えず専門店に相談してください。

出典

きもの査定ガイド編集部

編集部

着物の買取・査定・お手入れの情報を、初心者にもわかりやすく届ける編集チーム。

着物の価値、気になっていませんか?

相場や状態の不安は、無料の査定相談で解消できます。査定料・手数料は無料です。

無料査定について見る

関連記事