コラム

着物リストの作り方|エンディングノートと遺言の財産目録を使い分ける

執筆:きもの査定ガイド編集部
この記事の結論

着物の行き先は、エンディングノートには法的効力がなく遺言書なら効力があります。着物リストを家族に残す方法と、自筆証書遺言の財産目録をパソコンで作る際の注意点(取得時点)を整理します。

着物の行き先を確実に残したいなら、エンディングノートで「着物リスト」を作って棚卸しし、譲り先を指定したい部分だけを遺言書にするのが現実的な進め方です。エンディングノートには法的効力がなく、遺言書は民法の方式に沿って作ってはじめて効力を持つためです。この記事では、着物リストに書く項目と、遺言の財産目録の作り方の要点を整理します。

エンディングノートと遺言書は何が違うのか

項目エンディングノート遺言書
法的効力なし(私的なメモ)あり(方式を守った場合)
書ける内容自由(想い・連絡先・保管場所など)財産の承継など
着物の扱い現状と希望を伝える譲り先を指定できる
  • 「この着物は孫に」とノートに書いても、法的には遺産分割協議が必要になり、希望どおりにならない場合がある
  • 逆に、ノートは家族への説明や保管場所の共有に向いている
  • 方式を誤ると遺言が無効になることがあるため、迷うときは専門家に相談する

着物リストに書いておきたい項目

形見分けで家族が困るのは、価値の根拠や保管場所が分からないことです。次の項目を、着物ごとに記録しておくと役立ちます。

  • 種類(振袖・訪問着・留袖・小紋・帯など)と大まかな色柄
  • 証紙・落款・作家名・産地(写真で残す)
  • 購入時期・購入先・購入価格(分かる範囲で)
  • 保管場所(たんす・保管サービスなど)と状態(シミ・カビ・虫食いの有無)
  • 譲りたい相手と理由、思い入れのあるエピソード
  • 手放してよいか、供養や買取など処分の希望

写真は全体・柄・証紙の3点を撮っておくと、査定の際にも使えます。

遺言に着物を入れるときの財産目録のポイント

法務省の案内(令和7年度版)によると、自筆証書遺言の財産目録は自書でなくてもよく、パソコンで作成したり通帳のコピーなどを添付したりできます。ただし次の点に注意が必要です。

  • 目録のすべてのページに署名と押印が必要
  • 本文・目録とも各ページに通し番号でページ数を記載する
  • 目録の裏面には何も書かない
  • 平成31年1月12日以前に作成した遺言書の財産目録は、自書である必要がある
  • 法務局の自筆証書遺言書保管制度の申請手数料は、1件3,900円(取得時点)

着物は「訪問着(紺地に花柄・証紙あり)1枚」のように、第三者が特定できる書き方にするのがコツです。数が多い場合は、写真付きの別紙リストを遺言とは別にノートへまとめ、遺言には特に譲り先を指定したい着物だけを載せる方法もあります。

家族に伝えるまでの進め方

  1. 手持ちの着物を出して数と状態を確認する
  2. 着物リスト(上記の項目)を作る
  3. 価値の見当がつかないものは、査定を受けて記録に加える
  4. 譲り先を指定したいものは、遺言書に反映する
  5. ノートの保管場所を家族に伝える

注意

きもの査定ガイド編集部

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