お手入れ・保管

着物のたたみ方完全ガイド|本だたみの手順と用途別の使い分け

執筆:きもの査定ガイド編集部
この記事の結論

しまい方の基本は「防虫剤」や「たとう紙」より先に、まず正しくたたむことです。着物の基本のたたみ方「本だたみ」の手順、衿の処理のコツ、夜着だたみ・袖だたみとの使い分けをまとめました。

着物の保管というと防虫剤やたとう紙選びに目が向きがちですが、実はしまう前の「たたみ方」そのものが型崩れ・シワ・折りジワの主な原因になります。ここでは着物の基本のたたみ方「本だたみ」の手順と、絵羽模様や急ぎの場面で使う別のたたみ方との使い分けを整理します。

なぜたたみ方が着物の寿命を左右するのか

  • 着物は反物一枚を仕立てているため、決まった縫い目・折り目に沿ってたたむことで生地に余計な負荷がかかりません。
  • 縫い目からずれた位置で折ると、その部分に癖がつき、着用のたびにシワとして目立つようになります。
  • 特に衿の処理はたたみ方の中でも技術を要する部分で、ここが雑だと全体の仕上がりが崩れて見えます。
  • 正しくたためていれば、たとう紙に収めたときも余分な折り返しが生まれず、湿気や虫干しの効果も均一に行き渡ります。

たたむ前の下準備

  1. 脱いだ直後はまだ湿気を含んでいるため、半日〜1日の陰干しをしてから畳みます。
  2. 衿・袖口・裾など汚れが付きやすい箇所を明るい場所でチェックします。
  3. しみや汗じみらしき変色を見つけたら、たたむ前に無理にこすらず、専門クリーニングの相談を検討します。
  4. 畳む場所は広く平らな床や座敷を用意し、着物より一回り大きいたとう紙を先に準備しておきます。

基本のたたみ方「本だたみ」の手順

本だたみは最も基本となるたたみ方で、着物の種類を選ばず使えます。まずはこの手順を覚えるのが基本です。

  1. 着物を裏返し、背縫いを中心に左右対称に置く。
  2. 衽(おくみ)を内側に折り込み、衽線をきちんと合わせる。
  3. 衿を内側に折り返す。衿は本だたみの中で最も技術を要する部分で、折り目がずれると全体の仕上がりに響く。
  4. 脇縫いに沿って身頃を二つ折りにする。
  5. 袖を身頃の上に合わせて重ね、袖口の形を整える。
  6. 裾を持ち上げて衿肩の位置に合わせ、全体を長方形にたたむ。
工程ポイント
衽・脇縫い縫い目に沿ってまっすぐ折る(縫い目からずれるとシワの原因)
一番丁寧に。折り目がそのまま仕上がりの見た目に出る
袖口の形を崩さないよう軽く整えてから重ねる

用途に応じたたたみ方の使い分け

本だたみ以外にも、着物の種類や場面に応じたたたみ方があります。

たたみ方向いている場面特徴
本だたみ通常の保管全般縫い目に沿った基本のたたみ方。着物を選ばない
夜着だたみ絵羽模様・刺繍・箔のある着物(訪問着・留袖など)折り線を最小限にし、柄や箔割れを避ける
袖だたみ外出先・急ぎのとき簡易的にコンパクトへ。長期保管には不向き
襦袢だたみ長襦袢襦袢の仕立てに合わせた専用のたたみ方
羽織だたみ羽織羽織特有の構造(マチ・紐)に合わせる

振袖や留袖など絵羽模様が入った着物を本だたみで畳むと、柄部分に強い折りジワがついたり箔が割れたりすることがあるため、夜着だたみを使うのが安心です。

たとう紙への収納で気をつけたいこと

  • たたみ終えたら、着物より一回り大きいたとう紙に平らな状態で収める。
  • たとう紙は湿気を吸うと黄ばみやすく、2〜3年を目安に交換するのが望ましいとされています。
  • 複数枚を重ねて収納する場合も、詰め込みすぎず空気の通り道を残す。
  • 年に1〜2回の虫干しのタイミングで、たたみジワの位置がずれていないかもあわせて確認する。

注意

  • たたみ方は着物の仕立てや素材(正絹・化繊、絵羽模様の有無など)によって適した方法が異なります。判断に迷う場合は呉服店や着付け教室などで実際の手順を確認してください。
  • 記事内の情報は執筆時点のものです。しみ・カビ・変色がすでにある着物は自己判断でたたまず、専門クリーニング店に相談してください。
  • 本だたみ・夜着だたみなど名称や手順の細部は流派・地域によって多少異なる場合があります。

きもの査定ガイド編集部

編集部

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