お手入れ・保管

着物の防虫剤の選び方|種類別の特徴と併用NG・置き方の基本

執筆:きもの査定ガイド編集部
この記事の結論

着物の防虫剤は種類を混ぜず1種類に絞るのが基本です。ピレスロイド系・樟脳・パラジクロルベンゼンなどの特徴と持続期間の目安、併用でシミになるリスク、置き方と交換のコツを整理しました。

着物の防虫剤は「1つの収納に1種類」に絞り、着物の上に置いて、期限が来たら替えるのが基本です。種類の違う防虫剤を重ねると、成分が溶け合ってシミの原因になることがあるとされています。虫干しで着物を出し入れする秋は、防虫剤を見直すのにちょうどよい時期です。

防虫剤の主な種類と特徴

衣類用の防虫剤は成分で大きく5種類に分かれます。持続期間はあくまで目安で、製品ごとの表示を優先してください。

種類特徴持続の目安
ピレスロイド系ほぼ無臭。日常使いしやすい約1年
樟脳(しょうのう)天然由来。独特の香り。着物向きとされることが多い約6か月
パラジクロルベンゼン即効性が強く、においも強い。プラスチックや合成皮革を傷めることがある4〜6か月
ナフタリンゆっくり効き、長期保管向き。においあり6か月〜1年
ハーブ系ペットやアレルギーが気になる家庭向き。ユーカリ・ミントなど約6か月

併用NGと「1種類に絞る」理由

  • 他の種類と併用できるのはピレスロイド系のみ、とする解説があります。ただしそれでもリスクを下げるため、基本は併用しないほうが無難です。
  • 別成分を同時に使うと、薬剤が溶けて衣類にシミをつくる場合があります。
  • ハーブ系は併用の可否を確認できるデータが十分でないとされ、他の種類との重ね使いは避けるのが安全です。
  • 以前使っていた防虫剤と違う種類に替えるときは、ほかの成分が残らないよう、収納の空気を入れ替えてから新しいものを入れます。

効果を保つ置き方と交換のコツ

  1. 防虫剤の成分は下に広がるため、着物や帯の上に置く(着物に直接触れさせない)
  2. 収納ケースに詰め込みすぎず、8割程度に収めて空気の通り道を残す
  3. 使用期限が過ぎたものは効果がないため交換する
  4. 虫干しのタイミングで入れ替えると、交換忘れを防げる
  5. 誤飲防止のため、子どもやペットの手が届かない場所に置く

状況別の選び方の考え方

  • においが苦手・普段着の着物が多い:ピレスロイド系が選択肢になります。
  • 絹の礼装や受け継いだ着物を長期保管する:着物向きとされる樟脳が候補です。迷ったら購入店や専門店に相談しましょう。
  • ペット・アレルギーが気になる:ハーブ系を検討できますが、虫への効果の強さは製品表示を確認してください。
  • クリーニング後に防虫加工がされている:返却直後に別の強い防虫剤を重ねず、まず加工内容を店に確認すると安心です。

注意

  • 本記事は一般的な目安であり、着物の素材・刺繍・金銀糸の有無や収納環境により適切な対応は異なります。高価な着物や遺品の着物は、専門店にご相談ください。
  • 防虫剤は必ず製品の使用上の注意に従ってください。誤飲した場合は医療機関や中毒相談窓口へ連絡を。
  • 持続期間は製品・温度・収納の状況で変わります(2026年10月9日取得時点の情報)。
  • 参考: 神戸新聞「防虫剤の種類と使い方」(2026年10月9日取得)

きもの査定ガイド編集部

編集部

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